数年前から「ブラック企業」というキーワードが世間一般で広がりましたがこのブラック企業の本当の実態を知る人はそこで働いている従業員しかいません。
そのブラックな環境に適応してしまうと、それが当たり前な感覚に陥り会社に都合のいいように働かされてしまいます。
あなたの周りをもう一度見回してください。
もしかしたらあなたも知らないうちにブラック企業の歯車になっているかもしれません。
今日は、約10年間がむしゃらにブラック企業で働いた体験談を記事にまとめたいと思います。
もしこれから書く内容があなたの今勤めている会社に当てはまるものがあれば「退職代行」を使った転職をした方が身のためかもしれません。
目次
ブラック企業の特徴
私は高校卒業後、4年間のフリーター生活を経て初めて正社員になった営業会社がスーパーブラック企業でした。
その会社は毎年、販売する商品が変わりその度にゼロからスタートをする会社でした。
もちろん休みは月に1~2日しかなく、一日の労働時間は12時間以上で残業代は無し!平均給料は手取りで13万円という環境でした。
今思えば10年という時間をその会社に費やしたことに後悔さえ感じてしまいます。
そんなブラック企業の特徴をこれからご紹介します。
1.社長が叩き上げの営業マン
一代で会社を興して社員を雇えるくらいになるには相当の努力やセンスが必要です。
そういった人は他の人と比べれ良い意味でも悪い意味でもクセがあります。
私のいた会社の社長は布団の訪問販売で実力を発揮してその後独立をしたという経緯がありました。
そういった経営者が社員に求めるのは自分と同じレベルの結果を求めてきます。
そして口癖は「この会社を自分の会社だと思って仕事をしろ!」でした。
初めは「社長の言う通りだ!」と思って一生懸命働きましたが、求められている成果を達成していくうちに違和感が生じました。
それは「成果を出しても給与が変わらない」ことでした。
結局、一代で会社を大きくするためには社員を使い捨てにして利益をプールさせなければできない構図ということに気がつきました。
だから私は会社を辞めました。使い捨てはちょっとムリですね。
2.社会保険の適用方法に違和感がある
社会保険料の算定月は4.5.6月の平均月収で次年度の保険料が決まることを知っていますか?
この会社では勤務年数がある程度長くなると「社会保険料を安くして手取りの金額を多く取りたくないか?」という質問をされます。
何もわからない人はもちろん多くお金をもらいたいので「はい」と答えます。
そしてこのやり方は社会保険料を半分負担している会社側にもメリットがあります。
なので4.5.6月は「最低賃金のみ支給」されそれ以外の月にその分の給与が上乗せされて支払われる仕組みになっています。
これによるデメリットは社員が年金をもらう時に「もらえる金額が少なくなる」ということです。
社会保険料を少なく払っていれば必然的に老後に貰える金額も少なくなりますよね。
3.役職名が意味不明(コロコロ変わる)
商材がコロコロ変わること、そして社員がすぐに辞めてしまうことで2年勤務すると「グループリーダー」や「チーフ」「次長」など、今までその会社に存在しなかった役職が登場して、能力もないのになんとなくという理由でその役職が与えられます。
この時点で意味不明なことなのですが、後になって聞いた話ですが「管理職になると残業代を払わなくていい」ということを聞かされました。
この会社の場合は「名ばかり管理職」でしたがそれがまかり通る環境でしたね。
4.出張の期間が異常に長い
10年間の勤務の中で私が出張した期間は「6年間」です。
これは決まった地域でのことではなく北海道から京都まで毎日違うビジネスホテルに泊まりながら各地域を営業して廻るといった出張です。
こうなるとプライベートは一切なくなり、彼女すら作ることができませんでした。
だって今日は北海道で来週は栃木に出張なんてことが当たり前ですから誰かを好きになっても次に会えるのがいつかなんてわからないので、付き合うことはできませんよね?
5.社内に社長の愛人がいる
社内に愛人がいる会社は「ほぼブラック」という感覚でいます。
節操がなさ過ぎる経営者はお金の面でも人の扱いでも歪んだ考え方があります。
私には理解できませんでしたが「彼ら」にとっては問題ではなかったのでしょう。
社内で愛人が社長にタメ口、会社の近くでデートを目撃など当たり前の光景でした。
自分たちが売り上げたお金は愛人のマンションやバックに変わっていく過程を見せつけられるとやる気はなくなりますよね。
6.グループ会社が異常に多い
税金対策という理由で子会社をバンバン作っては潰しの繰り返しをする会社は会計上メチャクチャなケースがあります。
社長自身も把握できないくらいになっているはずです。
表面上は新規事業の立ち上げや設備投資など真っ当な理由を挙げるでしょうが実態は使途不明金の一時的な隠れ蓑にするためなのです。
各グループ会社ごとにきちんとした代表取締役がいればいいのですが、こういった場合は適当な年配社員がその地位に据えられ大元の社長にいいように操作されます。
雇われ社長には何の権限もなく名義貸しの状態で使われるので社内にいればだいたいわかると思います。
そしてこのケースは子会社で金融機関から個人保証なしで借入を起こして計画的に倒産させるケースもあります。
7.見た目重視の採用基準
女性の面接希望者が来たら、見た目で採否を決めます。
私のいた会社では見た目の良い女性が多く在籍していました。
相手の能力や適性よりも明らかに見た目重視の採用です。
大体は役員の好みで採用が決まるといったパターンですね。
こういった会社では履歴書が回覧されて社内の話題に利用されることもあります。
今に時代、相当やばいことを当たり前にできてしまう環境の会社は中小企業であれば結構多いはずです。
社内のルールが「コンプライアンス化」されちゃっている会社ですね。
8.社員が急に出社しなくなる
仕事内容も社内の雰囲気も良くないので、社員が急に来なくなることが当たり前の環境でした。
当時は「あいつは根性がない」と思っていましたが、今となっては逃げる社員の方が正常な思考を持っていたんだなぁと改めて思います。
ただ、単純に無断で会社に来なくなるまではいいのですが、人によっては会社のクレジットカードでカーナビやタイヤなどの転売できるものを買って持ち逃げをする人もいました。
あまりにも常識から外れたことをする人が多かったので途中から感覚が麻痺してしまいました。
最後には捕まるのが目に見えているのに「なぜそんなバカなことをするんだ」と思いながらもそういった人たちは後を絶ちませんでした。
この他にも出張中に社員が失踪して捜索願が出たり、営業先で警察のお世話になる人も何人かいました。
反社云々の話ではない環境でしたね。
9.取扱商品がコロコロ変わる
初めにも言いましたがこの会社は自社で何を作って販売するのではなく、商品を仕入れているというスタイルなので毎年売り物が変わっていました。
しかも今の商品と全く関連性のないものばかりです。
健康食品を売ったり、パソコンを売ったり、車を売ったりと基幹事業がブレまくっていました。
10.問題を起こしてクビになった社員が出戻りしてくる
悪いことをして会社をクビになった社員が半年後には普通に社内にいる環境だったことも印象的でした。
経費の使い込みや横領といってもいいようなことをした社員すら出戻りしていました。
今自分が経営者となり会社を運営してみて考えられないことばかりしていた会社だなぁとつくづく思う今日この頃です。